こんにちわ。
主にRPGを中心にRTAを嗜んでいるWisteriaと申します。
RIJW2022も終わり、まだまだ期待のイベントが目白押しの2023年ですが
RIJの会場に実際に行って感じたことがあります。
数年前より明らかにガッツリなRTAリスナーが増えている!
もちろんRIJの同接などを見ればネットニュースになるレベルで見られていることはわかるのですが、会場に行くとただ「夏・年末の風物詩」として見ているのではなく、「RTAが好き」になって視聴してくれている方が確実に増えていると感じました。
そこで、今回は
そんな「RTAが好き」な人、中でも「RPGが好き」な人に焦点を当て
RPGRTAを長年嗜んでいる私目線で、「今最も”初めてのRTA”に向いた作品」について
熱く語っていきたいと思います。
本題に入る前に、RPGのRTAについて
多数の作品を経験した自分の所感をお伝えしたいと思います。
基本的に長時間作品のRPGRTAをしている私ですが
前提として「RPG」というだけでストーリーの起承転結があるゲームなので
アクションやパズル等に比べるとイベントシーンなども非常に多く
やはりAny%(最速クリアを目指すカテゴリ)だったとしても
比較的長くなってしまう作品が多いなと思います。大きなデメリットの1つですね。
また、これはいくつかのRPG作品を経験した上で最終的に行きついたことですが
RPGはそのゲームのシステムによって、RTAとしての面白さの種類を大きく左右されます。
簡単に言うと
「何度も走るような作品ではないゲーム」と「何度も走れるゲーム」
というのが存在するんです。
前者の「何度も走るような作品でないゲーム」は
事前の調査段階で運の要素を極端に減らしており
割と序盤から俺つえーができてしまうため、タイムが非常にぶれにくい作品です。
自分がプレイした中だとFF8などはこれに該当します。
こういった作品は一部プレイヤーは減点方式とも呼んでおり
100点の状態で出走し、これを最終的にどれだけ100点に近い状態で終わるか
といったRTAになる側面があります。
ほぼ100点の状態で終えられてしまえば、それ以上の走りは不毛になるため
「何度も走るような作品ではないな…」となってしまうという感じです。
後者の「何度も走れるゲーム」はその逆で偏差値のようなイメージです。
50が中央値で、これを運やその場の即時判断でどれだけ100に近づけられるか
といった勝負になるため、走るごとに35の走りや60の走りに
変化するといったように個人的には感じています。
個人的には、どんな運でもこれを毎回60前後の走りにできる方が
そのゲームのRTAが上手な方だと思ってます。
こういった作品は自分の中で「70の走りができたらやめよう」と区切ってやることが多く、それが達成・満足するまで何度でもチャレンジすることになります。
自分がプレイした中だとFF9などがこれに該当します。
またチャートを構築する面白さは「何度も走れるゲーム」の方が個人的には充実してると思っており、「何度も走るような作品ではないゲーム」はある程度「俺つえー」ができる戦術が1本に確立されてしまうことが多いため、安定を取ることでタイムを犠牲にする戦術にシフトチェンジすることはできますが、「別のアプローチでより最速の戦術に!」といったことは難しいことが多いです。
とはいえ
「何度も走るような作品ではないゲーム」が全く面白くないという悪いわけではなく
この特徴のゲームは「自分が出せる限界値を知ることができるゲーム」
という側面もあり、RTAという遊び方にはこれはこれで適していると思っています。
人によって趣味嗜好があり、「運が少ないゲームの方がタイムに自分の実力が反映されやすいので好き」という方もRTAプレイヤーにはたくさんいますので、どちらが秀でている・劣っているといったことはないです。
長年RPGのRTAを行って上記のような結論に辿り着きました。
さて、ではそんな私が「手放しにおススメできるRTA」とは…。
〇私が今最もおススメできるRTAは
『オクトパストラベラー トレサシングル%』
というわけで本題です。
ちなみに私個人としてオクトパストラベラーの経験は非常に浅いので
界隈の方、あくまでこれは”個人の意見”と捉えて温かい目で見てもらえると幸いです。
まず「オクトパストラベラー」ですが2018年7月にNintendoSwitchにて発売されたRPG作品であり、現在はPCやXBOXなど多数のプラットフォームで遊ぶことができます。
特徴としてHD-2Dというグラフィックシステムとドット絵を用いており
SFC時代のゲームのような雰囲気をグラフィック面では大きく残しつつ
現代的な背景やゲームシステムを踏襲した作品となっています。
また音楽やストーリーも非常に完成度が高く
Steamのレビューでは現時点で9271件のレビューがあり86%のユーザーに好評という
高い評価を得ている作品です。
さてこの「オクトパストラベラー」
中でも「トレサ シングル%」と言われるカテゴリがなぜおススメできるのか
深堀していきたいと思います。
①RPG作品の中では抜群に短い
もう、まずこれです。とにかく短いは正義。
このカテゴリは、主人公をトレサという商人の女の子でスタートし
この女の子のメインシナリオ全4章をクリアするまでを計測するカテゴリなのですが
SwitchでもPCでも最速で約40分程で終わります。
運の要素は割と大きい作品ですが
運が悪くとも概ね1時間前後で終わるというのが非常に魅力的です。
②RPGのRTAを走る上で面白い要素が40分に凝縮されている
個人的にRPGのRTAをする中で非常に面白いなと感じる要素が3点あります。
・フィールドの歩き
・しっかり強いボスの攻略
・コマンド操作
の3点です。
トレサシングル%には40分前後という短い時間の中に
この全てがぎゅっと凝縮されています。
実際の進行の中で半分以上の時間はフィールドマップの歩きになっており
丁寧に歩かなければ余計なエンカウントが増えてしまうという、歩きの重要さ。
トレサのシナリオでは4体のボスと戦いますが、内2体はランダム要素が強く
初手の行動で全滅するパターンも少なからずあります。
ですが、負け寄りのスタートから実力とその場の判断で勝ちに持っていくこともできるという、運だけで解決せず即時判断というプレイヤーの実力も求めてくるボス戦の面白さ。
RPG作品の中でも操作は複雑な類ですが、その分比較的レスポンスが良く
コマンドが速く綺麗にできるだけで得られる爽快感の高さ。
また、重要かつそれなりにあるコマンド量。
長時間RPGのRTAを何作もやりましたが、この「面白い!」と感じる3点が全て含まれている上に、時間がここまで短い作品は非常に少ないため、RPGRTAの「走る面白さ」が非常にわかりやすく体感できます。
③イベントシーンスキップがあるため、ほとんどが操作時間
オクトパストラベラーはすべてのイベントシーンでシナリオスキップが可能で
そのためほとんどの時間が操作時間です。
これは良くも悪くもだと思うのですが、個人的には人間が持続して集中できるこの絶妙な1時間前後を、ほぼ無駄なくゲームと向き合って遊べるというのは魅力的です。
ただ、「めちゃくちゃ忙しい!」というわけではなく、実際イベントのスキップ入力中やマップ移動の暗転中等はそれなりに手が空くため、配信しながらコメントを拾ったり、コップに入れた飲み物を飲んだり、といったくらいの余裕は持てます。
④短いのに1走1走に達成感がある
ある程度固定化されたチャートはあるのですが、このゲームのチャートはあくまでも「軸」のようなもので、先述した通り、敵味方の行動順などによって「どうやって軸に持っていくか」というプレイヤーに対するゲーム側からのアプローチがあります。
そのため、毎回全く同じ展開になる走りは少なく、「この区間はもうちょっといい判断できたな…」とか「ここの判断はめちゃくちゃ良かった」といった、毎走りに得られるものや達成感があるのは大きなメリットだと思います。
⑤「オクトパストラベラー」というゲームのRTAカテゴリが多い
オクトパストラベラーのカテゴリはRPGの中でも非常に多く
細かなルールやハード差を無視しても、SRC上に15カテゴリあります。
1粒で2度美味しい、どころの騒ぎではなく
トレサシングル%で満足したら「これもやってみようかな…」と手を伸ばしやすい
というのも魅力の1つだと思います。
といった感じです。実際にはまだまだ「面白い!」と感じた点はあるのですが
〇ではオクトパストラベラーRTAの良くない点は?
メリットばかりを説明しても仕方がないので、ここからは「ここがあまり良くない」という点も上げていきたいと思います。
①キャットリンに頼るチャートが主流
ゲームスタートから割と早い段階で「エンカウント半減」というサポートアビリティを習得し、現在のレベルより大きく上回る適正レベルのマップにも行って、世界巡りをする…というのがこのゲームの前半の動きなのですが、現在の上位層はそのスタートダッシュに必要なJP(ジョブポイント)というものを、キャットリンという所謂メタルスライムのようなモンスターを倒すことで解決しています。
当然出現率も低いので、出なかったらリセット…となってしまうのですが
これがこのゲームのどのカテゴリを遊ぶ上でも非常に大きなデメリットだなと感じています。
ただし!!!!ただしですよ!!!!!ここからが重要です。
PC版のオクトパストラベラーには海外の方が作成されたCait Modというものが存在し
特定のマップのエンカウントの全てにキャットリンを含むようにするというものがあります。
当然、SRC上ではCaitModありとCaitModなしでルール上分けられていますが
これがあることで、このRTAの最大のデメリットを解決することができています。
なお、CaitModなしも上位層は結果的に「最速はキャットリンを引くまでリセットをする」という方向性に開拓されているので、手軽に始めたい方はPC版のCaitModありルールをおススメします。
※Switch版はModを導入することができないため、キャットリンを引くまでリセットするか、或いはキャットリンを前提としないチャートというのが存在するのでそちらで走ることになります。
ちなみに過去「ガ〇〇ラ%」という裏ボスまで撃破するカテゴリを少しかじったことがありますが、キャットリンなし前提のチャートもそれはそれで全然面白いです。最速を狙うのに不向きなルートというだけですね。
②PC版はゲームの操作中に別の操作が効かない
このゲームはアクティブウインドウ状態でないと操作が効かないため
実際の走りの際にチャートを見ながら操作をして進むということが比較的難しいです。
自分の場合はIPadでチャートを眺めつつ…といった感じで進めていました。
③比較的運の要素が大きく、マイナスがついていても簡単に+にひっくり返る
ボスが強いこともあり、比較的全滅しやすく
マイナスで来ていたタイムがひっくり返りやすい作品だと思います。
最終章のボスも現在の上位層の戦術は突破率が低めの戦術を取っており
相手の行動や運次第では4章だけで+10分がついたりすることも…
この要素があるため個人的には「ガッツリ血眼で記録狙い」向きのゲームではなく
走ってるうちに「あ、自己べ出た」となるタイプのゲームかなと思っています。
RTAを初めてやる上では「根気よく長く続けているうちに気づいたらまぁまぁ満足の行くタイムが出る」という前提があれば、長期的にゆったりとチャレンジして、楽しめるRTAになるのではないかと思います。
〇総括
というわけで以上が個人的におススメする「オクトパストラベラートレサシングル%」の全貌です。
何度も申し上げますが、本内容はあくまで"個人的"な感想であり、特段やり込んだわけでもなく、かじった程度のひよっ子の感想であるとお考え下さい。
ただ少なくとも前述した通り、多数のRPG作品をやってきた私としましては、「RPGが好き」で「何かRTAをやってみたい人」にとっては、非常におススメできる作品・カテゴリだと思います。
ぜひあなたも2023年RTAを「見る側」から、「走る側」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
皆さんのチャレンジをぜひともお待ちしております。